- 2019.11.01
- コラム
難しい日本語ビジネス用語の使い方
ビジネスの場面では様々なビジネス用語を使用します。その中には日本人でも使い方が難しい日本語のビジネス用語も存在します。あなたはクライアントへのメールや電話、商談の際に、正しい用語を使えていますか?そこで今回は、知っているようで知らない日本語ビジネス用語についていくつかご紹介していきます。
ご査収
よくビジネスメールなどで頻出する「ご査収(ごさしゅう)」という言葉。あなたはこの用語を正確に使えていますか。「ご査収」とは、内容をしっかり確認して、受け取ってくださいという意味合いになります。では「ご確認」とはどう違うのか。それは受けとるものがあるかどうかということです。「ご確認」の場合は受けとるものの有無に関係なく、「確かにそうであると認める」という意味合いになります。一方、メールに契約書や提案書など相手が受け取るものを添付している場合は、「ご査収ください」という言葉を添えることでしっかりと添付書類があることを明示することになります。逆に、添付書類など受け取るものがない場合は「ご査収」は使用できないのでご注意ください。
当方
商談の際などによく耳にする「当方」という言葉。「当方」とは、自分が属している組織の一人称として使用する用語になります。よく個人の一人称として「私」の代わりに「当方」と表現する人がいますが、それは間違った使い方になります。「当方」は、誰とははっきり明言できないが、自分の属している部署や会社や他社を含めたグループなどの組織全体を表します。例えば、クライアントと会社間のトラブルが生じたとき、「私のミスです」と伝えるのが憚られる場合、「当方のミスです」というように組織を代表して謝罪する意味を伝えることができます。「当方」を個人の意味合いで使ってしまうと、個人の意見を述べたはずが、会社全体の総意として相手に捉えられてしまう恐れがあるので、注意が必要です。
ご容赦
クライアントに何か理解してもらいたい時に使用する「ご容赦」という用語。似たような言葉に「ご了承」や「ご理解」という表現もあります。これらの違いはいったいどこにあるのでしょうか。「ご容赦」は、謝罪を含めた表現で、すでに終わったことに対して許しや理解を求める表現です。「ご了承」は、まだ始まっていないことに対して、許しや理解を求める表現です。「ご理解」は、すでに始まっていることに対して説明し、許しや理解を求める表現です。それぞれ少し違ったシチュエーションで使用することになる用語なので十分気を付けてご使用ください。
各位
よくメールの冒頭に書くことが多い「各位」という用語。本当は「~様」などと書きたいところですが、関わっている人数が多く、すべての人を記載できない場合に「各位」という表現を使用することになります。「各位」という言葉は、多数の人物に対して敬意を払って使用する尊敬表現です。なので、「各位様」「各位殿」などの敬称をつける必要はありません。尊敬表現なので、上司や目上の方を含む場合にも使用することのできる用語ですが、人によっては正しい理解がなく、「目上の人に使う言葉ではない」と感じる方もいらっしゃいます。その場合は「~部長 各位」といった表現を使用するといいでしょう。
まとめ
今回は、知っているようで知らない難しい使い方の日本語ビジネス用語についてご紹介してきました。正しい使い方を理解して使用することはもちろん大事ですが、場合によっては臨機応変に使用用途を変化していくことも大切です。今回ご紹介した用語以外にも、日本語には使い方が曖昧であったり、誤用されているビジネス用語も存在します。使い方がよく分からない場合は、一度調べてみてからビジネスで活用するようにしましょう。