エキスパートオフィス(EXPERT OFFICE)

在宅勤務は難しい?課題・デメリットと向いている職種を解説!


働き方改革の推進により注目を集め、コロナウイルスの影響で急速に世間に広まってきている在宅勤務(テレワーク)ですが、急いで導入を進めた結果、様々な問題を抱え、上手く運用できていない企業がたくさんあります。そこで今回は、在宅勤務の失敗事例などをもとに、在宅勤務に向いている仕事、向いていない仕事、その課題やデメリットを解説していきたいと思います。

在宅勤務の問題点が浮き彫りに

近年注目を集めている在宅勤務とは、テレワークのひとつです。テレワークは他にも、サテライトオフィスなどを利用した施設利用型テレワークや、スマートフォンやノートPCなどのモバイル機器を使い、出先で作業を行うモバイルワークなどがあります。そして、コロナウイルス対策として外出自粛が進行する中でひと際注目を集めるようになったのが、今回テーマとなる「在宅勤務」です。
そもそも在宅勤務をはじめることの効果(メリット)は、「災害等の緊急事態におけるBCP対策(事業継続対策)」「通勤時間の削減による作業効率化」「オフィスコスト等の削減」「育児・介護等との両立による多様な働き方の実現」などが挙げられます。今回のコロナウイルスによる導入促進は特殊なケースと言えますが、急に導入を進めた結果、様々な問題点や失敗事例が挙がってきています。

在宅勤務に失敗した米IBMの事例

時代に先駆けて1990年代から在宅勤務を推進してきたアメリカの世界的企業IBM。数十年間テレワーク制度を実施してきましたが2017年にテレワークを廃止にしました。その大きな理由となったのが「社員同士のコミュニケーション不足」です。在宅勤務になると基本的に作業は一人。フリーランスのような働き方になり、だんだんとコミュニケーションが少なくなってしまったそうです。大規模なプロジェクトを抱えるIBMでは、チームワークはとても重要な要素です。チームの一体感がなくなってしまった結果、仕事のクオリティ低下に繋がってしまいました。
日本でもまさにこの「コミュニケーション不足」が大きな問題点として数多くの企業から挙がっています。急に在宅勤務を実施したせいで在宅勤務時のルール設定がきちんと定められずに、コミュニケーション不足によるミスの発生や、作業効率の悪化を招いてしまっています。マネジメントも上手く機能せず、仕事をさぼりがちな社員も出てきて勤怠管理が上手くいかないというケースも非常に多いです。
この問題を解決するためには、コミュニケーションをしっかり図れる仕組みを作ることが求められます。2007年から在宅勤務を導入したアクセンチュアでは、いつでもコミュニケーションが図れるITツールを導入し、従業員へのサポート体制を強化しています。また、パナソニックでは在宅勤務の上限を月2分の1までと定め、月の半分以上はオフィスに出勤しコミュニケーションを図る時間を確保しています。業務内容に合わせて個人が在宅勤務の頻度を決めることができ、7割超の社員が生産性向上を実感しているそうです。

在宅勤務のよくある失敗事例

その他にも在宅勤務の失敗例(デメリット)は数多く挙がっています。その中の代表的なものをピックアップすると「セキュリティの問題」「作業環境の問題」「労働条件(就業規則)の問題」が挙げられます。

セキュリティの問題は、適切なセキュリティ対策を行わず、個人パソコンなどで作業を行った結果、情報が漏洩してしまったというようなケースです。急な在宅勤務の導入によって、セキュリティ対策が追いつかなかったことや、セキュリティに対する社員のリテラシー不足などが原因となっています。特に機密情報を扱う企業が在宅勤務に踏み切る場合は、最新の注意を払い、セキュリティ対策の徹底、社員に対する作業ルールの明確化を進めるようにしましょう。

作業環境の問題は、ノートPC等の支給といった作業環境を整えず在宅勤務に踏み切った結果、「通常業務が行えない」「作業効率が著しく低下した」などの生産性低下を招いてしまったケースです。特に年配層の社員に関しては、いつもと違う作業環境に戸惑い、業務が行えるまでに長い時間を要してしまう方も多いようです。WEB会議(リモート会議)も使い方が分からず、会議が実施できないというケースも多数発生しています。在宅勤務で作業効率を高めたいのであれば、PC等の作業環境にはコストをしっかりとかけてパフォーマンスが落ちないようにし、各種マニュアルも用意しておくようにするといいでしょう。

労働条件(就業規則)の問題は、適切な労務管理が行き届かず、正確な労働時間を把握することが出来ない状態に陥ってしまったなどのケースです。正確な労働時間を把握できない状況で残業代はどのように支給するか、部下がオーバーワークをしないようにどのように管理するか、明確なルールを定めなかった結果、社員の不満が溜まり、モチベーションの低下などを引き起こしてしまっています。この対応としては、やはり明確な労務管理のルール化を進めることです。また同時に、従来の人事評価も見直す必要も出てくるでしょう。2008年から在宅勤務を導入している日本ユニシスでは「成果管理シート」という成果を管理するシートを作成し、成果を定量化することで適切なマネジメント・人事評価を実現しています。

在宅勤務に向いている仕事、向いていない仕事

では、これまで紹介してきた失敗事例をもとに、どんな仕事内容が在宅勤務に向いているか、向いていないか考えてみましょう。在宅勤務に向いているの仕事は、「一人でも完結できるような作業を行う仕事」です。例えば、システムエンジニア(SE)やプログラマー(PG)などの職種。基本的にPCを使用し、一人で作業を行う事が多い職種なので、在宅勤務にとても適しています。同様の理由から、デザイナーやライターなどのPCを主に使用するクリエイターも在宅勤務向きでしょう。
他にも電話(WEB会議)やメールでコミュニケーションを完結できるような営業職や事務職、管理職なども在宅勤務に適していると言えます。これらの職種のほとんどは、直接会わずとも問題なく業務を行えるケースが多く、通信機器とノートPCさえあれば、すぐに在宅勤務へと移行することが出来るでしょう。特に事務は、データ入力など個人作業が多い業務の場合は、在宅勤務を進めたほうが作業効率が高まるケースも多いです。
また、英語や中国語などを活用し、グローバルで活躍する仕事も在宅勤務向きです。海外への渡航が制限されている状況下においては、在宅勤務でもオフィスと同等の業務を行うことができるでしょう。

逆に、在宅勤務に向いていない仕事は、「製造業」「接客業」「販売業」「飲食業」「医療・福祉」「機密情報を扱う仕事」などです。製造業は、工場に行かなければ作業ができませんし、その他の職種も人と会わなければ成立しません。士業の方も人によっては在宅勤務が可能かもしれませんが、個人情報や機密情報を扱う弁護士等の仕事はセキュリティ上の問題で十分な対策を行わない限り在宅勤務は難しいでしょう。

まとめ

在宅勤務はメリットだけでなく、様々な問題点やデメリットも抱えています。在宅勤務導入を急ぐあまり、課題を抱えたまま導入を行うと、取り返しの利かない状態に陥る危険性もあります。在宅勤務の向き不向きや、それぞれの業務内容に応じた働き方をしっかり考え、運用ルールの策定から始めてみてください。また、現在は助成金などの様々なサポート制度もありますので活用するといいでしょう。しっかりと課題やデメリットを理解した上で、適切な在宅勤務運用を行っていってください。

2020.05.20
オフィスFAQ

月〜金曜 9:00〜17:300120-587-560内覧予約・お問い合わせ

ページトップへ