- 2019.03.20
- コラム
マネジメントに生かせるサーバントリーダーシップ
マネジメントに関わる方にとってリーダーシップのとり方は重要なテーマのひとつです。リーダーというと今までは「部下に命令を下し、指示によって人を動かしていく」といったリーダー像を連想しがちでしたが、現在はその在り方も大きく変わってきています。多様な価値観を尊重する現代社会では、支配型リーダーではなく、支援型リーダーがグローバル企業を中心にスタンダードとなっています。今回はそんな多数の企業が取り入れ始めているサーバントリーダーシップについてご紹介していきます。
サーバントリーダーシップとは
「サーバントリーダーシップ」とは、従来の主流となっていた牽引型リーダーシップではなく、目標に向かって頑張る部下や仲間を支える支援型リーダーシップのことです。「サーバント」という言葉は「従者」「奉仕者」を意味しますが、これは部下にこびるという意味合いではありません。後方から部下の成長を支え、部下自ら考え、アクションを起こす状況を作り出すマネジメントの方法がサーバントリーダーシップです。今までのトップダウンの一方通行ではなく、対話型のリーダーシップであるとも言えます。部下や仲間に対する思いやりや奉仕の心から生まれるリーダーの在り方は、多様性を重んじる現代社会に適応した形であると言えるでしょう。
サーバントリーダーシップのメリット
現在、多くの企業がこのサーバントリーダーシップを取り入れ始めています。サーバントリーダーは、相手のことを心から思いやり、自然と仲間との強い信頼関係を構築しやすい職場環境を生み出します。また、部下や仲間の意志を尊重し、主体的なアクションを促すマネジメント方法なので、サーバントリーダーの率いるコミュニティは自主自立した動きが活発化した組織となりやすい傾向にあります。サーバントリーダーシップを上手く活用することができれば、良好な職場環境をつくり出すだけでなく、一人ひとりのメンバーの能力と行動力を大幅に向上させることができるでしょう。
サーバントリーダーがスタンダードに
市場の変化が激しい現代社会において、ただ単にリーダーの指示に従うだけの組織では、ビジネスで勝ち抜いていくことは難しいのが現状です。今ビジネスの現場で求められているのは、一人ひとりのビジネスパーソンが主体的に考え、行動し、ビジネスを展開していく力を持った組織です。そんな組織をつくるために、サーバントリーダーシップはとても有効な手段だと言えるでしょう。とはいえ簡単にサーバントリーダーシップを発揮できるものではありません。サーバントリーダーには、人の個性や特性を見抜き、その可能性を伸ばしていく技術が必要とされます。そのためにはまず、部下からの信頼を獲得できるリーダーとしての素養や人柄が大切になってきます。最近では企業のトップ自ら工場などの現場に赴き、現状を把握したり、模範を見せたり、社員との交流をはかる場面が増えてきました。こういった行動もサーバントリーダーシップの効果的な実例といえます。部下を信頼し、部下から信頼される。その関係づくりが今後のマネジメントには欠かせない要素になってくるでしょう。
まとめ
今回はマネジメントをする際に有効的な手段としてサーバントリーダーシップについてご紹介してきました。一方的な命令や指示によって組織を統率するマネジメントは前時代的なものとなり、現在では個性や自主性を尊重し、個人の能力を引き出すサポートをする支援的なリーダーシップがマネジメントのスタンダードとなってきています。ぜひ、サーバントリーダーシップを上手く活用し、組織の活性化につなげてほしいと思います。